真空成形（真空成型）

真空成形（真空成型）について

真空成形（真空成型）は、熱成形のなかで広く普及しているプラスチック成形方法です。

雌型または雄型のいずれか一方だけを用いてシートを金型に合わせた形状に成形する方法で、熱可塑性樹脂のシートを加熱軟化させたのち、すみやかに型とシートとの隙間を真空（減圧）にし、シートを型に密着させて、冷却後空気を吹き込んで成形品を取り出します。

雄型を使う場合を雄型成形（ドレープフォーミング）、雌型を使う場合を雌型成形（ストレートフォーミング）と言います。

厚板プラスチックシートを使用した成形品は主に完成品の外装カバーや内装カバーとして使用されます。

 

真空成形（真空成型）の特長

• プラスチック成形の中でも比較的金型製作コストが安い
• 製作期間が短い（短納期）
• 部分的デザイン変更が射出成形より容易（型の変更）
• 生産個数に合わせた材質選択が可能
• 大型サイズ、薄肉成形が可能
• 塩ビ樹脂の成形が容易
• 試作コストが安く、多品種少量生産に適す
• プラスチック板（平板）に３次元の印刷成形が可能
• 透明成形が容易（限度設定が必要）
• プラスチックトレー（部品トレー、プラスチックパーツトレー）の製作に有効
• 板金カバーより曲面を使ったデザインカバーが作りやすい
• 生産数量が多くなった時、真空注型より対応出来る
• 生産LOTや製品の大きさから、医療機器カバーに適している
• 成形後の加工変更が射出成形より容易
• 成形品を加工するため、加工違いが容易に出来る（一つの型でＯＫ）
• 多品種少量生産、大型成形、スポット生産向け樹脂カバー製造が特に適している。
• 成形機に1枚づつ材料をセットするため、材料の色変更を簡単にできます。
• 耐衝撃に強く規格色の多いカイダック材を使用して色のバリエーションを作ることができる。
• 内照式の立体看板の製作に適している。
• 真空成型金型は準備期間が短いため、射出成形では納期に間に合わないようなスポット大量生産に適している。
• ゲーム機、パチンコ、パチスロ、カジノなどのアミューズメント関係の印刷真空成型品、特殊シートの成形、
  スポット生産に適しています。

植木プラスチックは真空成形（真空成型）を主体としてその他プレス成形、枠フリー真空成形、フリーブロー成形、圧空成形を２４時間稼動にて製造を行い、小型成形から大型成形、少量から大量生産まで幅広く樹脂カバーの成形を行っています。

弊社の最大のメリットは生産能力で、大勢の成形オペレーターとNCオペレーターの技術者が短納期にて対応します。

プラスチックトレー(部品トレー、パーツトレー)については、設計から試作型、量産型を社内にて製作し、短納期でトレーの製品を提供します。

成形材料はほとんどの熱可塑性樹脂板に精通し、印刷成形品、多層シート製品も多数実績があります。

大型真空成形機のサイズは2700×3300×1000、1200×4500×1500を備えています。
このサイズは国内最大です。

小型高速真空成型機(750×1150×450)を2台所有し、こちらは特に印刷成形を得意としています。

複数の成形品を接着(溶着)させることによって、真空成型ではできない形状を製作できます。

真空成型機18台、5軸制御NC加工機23台、5軸制御レーザー加工機、油圧自動抜型裁断機2台の業界一の加工設備で、数の多い製品にも対応いたします。

PP(ポリプロピレン）、PE（ポリエチレン）、PW（PP/PE)

PC（ポリカーボネート）、PET-G（非晶性ポリエステル系プラスチック）、A-PET

PMMA-ABS（２層）、PMMA-AES-ABS（３層）、AES-ABS（２層）、ABS、AES、ASA、PMMA（アクリル）、メッキ調ABS、カーボン調ABS、ラミスタック、スペリオール

PVC（塩化ビニル）、PS（ポリスチレン）、ROA（PC/ABS）、アクリル変性高衝撃塩化ビニル板（カイダック、カイデックス、タキフレックス）、タフビロン

変性PPO（PPE)、ペフ

カイダックについて

カイダックとは主成分が塩化ビニルでできている高衝撃塩ビ板です。
塩ビ系の材料であるので、耐薬品性にも強い材料です。
カイダックには多彩な色バリエーションの規格材があるため、プラスチック成形において少量での生産にも使いやすく、多品種少量生産にも適した材料です。

内装パーツ	航空機樹脂カバー、自動車樹脂カバー、建設機械、重機樹脂カバー、表皮、 電車樹脂カバー、ラゲッジトレイ
住宅設備	浴槽、洗面化粧台、天井、洗濯パン
外装パーツ	風防、農機カバー、ゲーム機カバー、ゴルフカート、自動車スポイラー、 自動車グリル、バイクオプションパーツ、その他用品
カバー	室内照明カバー、屋外照明カバー、医療機器カバー、美容機器、飛散防止カバー、フードカバー、ハウジングベゼル、機械カバー、健康機器カバー、リハビリ機器、ポンプカバー、虫取り機カバー、車椅子カバー
その他	ドレンパン、ダミー缶（サンプル缶）、パレット、看板（サイン）、搬送トレー、自動販売前面パネル、排水パン、ルーフボックスキャリア、ブリスターパック、キャリア、部品トレー、ディスプレイ、商品棚、配線収納カバー、券売機カバー、化粧品ラック、地球儀カバー、床暖房システム部品、フィギュア、カジノ向けカバー、水耕栽培トレー、コンビニ向けファサード看板、大型半球状スクリーン、ドローン、自動搬送車、化粧品、遊園地関連

型費の比較

【真空成形（真空成型）の場合】　
製品の裏側に型当りがある場合が多い為、汎用アルミ鋳物で型を作る事が多いです。

【圧空成形の場合】
意匠面側が型当りである場合が多い為、汎用アルミブロック材で作る事が多いです。

アルミ鋳物で作られる真空成型金型は鋳型を作らなければなりませんが、型の板厚がほぼ一定の為、材料費を抑える事が出来、ブロック材の様な無駄な切削時間が少ないので、加工時間を短縮する事が出来ます。
プラスチック成形の中でも形状が大きければ大きいほど、その差が増えますので、大型の製品はアルミ鋳物型の方がお得になります。

引く力と押す力

引く力は１気圧から０気圧までの弱い力ですので、限界があり型の転写が悪くなります。
押す力は圧力を上げれば強く出来ますので、型の転写が良くなります。
しかし型にとっては、力が強いほど丈夫に作らなければなりませんので、結果的に力の弱い成形方法の方が安い型費となります。

上記の内容より・・・

【型費】　　　　 安い　　　真空成形　→　圧空成形　→　射出成形　　　高い

【製品代】　　　 安い　　　射出成形　→　真空成形　→　圧空成形　　　高い

板成形では製品が大きくなるにつれて、型代は射出成形に比べ緩やかに上昇しますので、大きい製品ほど板成形のメリットがあります。

大型真空成形（真空成型）品

弊社では1200×4500、2700×3300の、国内では最大サイズの大型真空成形機を持ち、大きな製品を成形しています。
年々大きい成形品の需要は増していて、小型から大型化へ進んでいるように思われます。

また、重量カバーから軽量カバーへ移って来ておりますので、真空成形品は大型軽量カバーとして、用途を拡げて行くことでしょう。

製品が大きくなればなるほど、射出成形に比べ型代を安く出来る真空成形（真空成型）は、初期費用を抑えるという面でも有効です。

真空成型のメリットはなんですか？

射出成型（インジェクション成型）に比べ、型などの初期費用が安くできます。
ＦＲＰ、真空注型、樹脂切削に比べ、大量ＬＯＴに対応できます。
大型プラスチックカバーの製作にも適しています。

製品の色を透明やスモークにはできますか？

可能です。使用されるプラスチックシートとしてはアクリルが多く、ＰＥＴ、ポリカーボネート、塩ビ、カイダックなども使われます。

真空成型製品の最短納期はどのくらいでできますか？

小さい製品であれば状況にもよりますが、最短で５日という実績はあります。
一般的には２～４週間程度が多いです。

透明な材質はありますか？

押出プラスチック板の中では、アクリル（ＰＭＭＡ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、ペット（ＰＥＴ）、塩化ビニル（ＰＶＣ）、カイダック（ＫＤ）があります。

何個からできますか？

１個からでも製作可能ですが、型などの初期費用が必要になります。

図面がないのですが、製作できますか？

弊社の場合、３次元データを作成して製作することもあります。もしくは、
製品からデータを作成する場合もあります。（内容によってはできない場合もあります。）

真空成型の金型は射出成形の金型より安いのですか？

真空成型の金型は射出成型と違って片側しかありません。また、汎用アルミ材やアルミ鋳物を使用するので、素材としても安価な材料を使用しています。

どのようなプラスチック板がありますか？

アクリル、ＡＢＳ、ペット（ＰＥＴ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、塩ビ、カイダック、タフビロン、カイデックス、ＡＥＳ、ＡＳＡ、ＰＰ、ＰＥなどがあります。

型の材質は何ですか？

汎用アルミやケミカルウッドを使用しています。
用途によっては木も使用します。

塗装、印刷、メッキなどの２次加工はできますか？

協力会社にて対応しています。

素材の厚みは何ｍｍくらいですか？

ｔ１ｍｍからｔ６ｍｍまでの素材が主に多いです。０．５ｍｍや１０ｍｍの素材を扱うこともあります。

表にネジ穴を空けたくないので、組付用のボスはできますか？

裏部品を製作し、後工程にて接着を行います。

真空成型の最大サイズを教えてください。

機械サイズは2700X3300X1000、1200X4500X1400が最大サイズになります。製品サイズは製品高さによりかわりますので、機械サイズより小さくなります。

金属から樹脂カバーにしたいのですが、どうしたらよいですか？

金属の図面もしくはデータを見せていただき、打ち合わせにより樹脂図面に変更します。

印刷真空成型とはどのような成型方法ですか？

真空成型品に塗装をすると非常にコストが高くなりまし、量産性がありません。平板の状態で印刷を行い、形状に合わせて成型することにより加飾された製品を製作できます。

月に何点制作可能ですか？

大きさ・材料・厚みにもよりますが、一般的な大きさの場合数千個、材料が薄い場合何万個という実績があります。

ポリカーボネート（ＰＣ）は成型できますか？

形状を選びますが、通常とは違う方法で成型できます。

耐熱の高い材料はありますか?

プラスチック成形で使われる材料としてはポリカーボネート（ＰＣ）が一番高く、アクリルやＰＣ／ＡＢＳも比較的高めです。

屋外で使用できる素材は何になりますか？

アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC耐候グレード)、AES、ラミスタック(多層シート)、スペリオール(多層シート)、が屋外で選ばれる材料となります。

新型コロナウイルス感染症の感染防止用アクリルパーテーションを太田市に寄贈いたしました。 またこの取り組みが上毛新聞に掲載されました。

2015年 夏　 World Solar Challengeに参戦している工学院大学様のソーラーカーにてウィンドウを製作、スポンサーとして参加致しました。

2013年 夏　 World Solar Challengeに参戦している東海大学様のソーラーカーにてキャノピー（風防）を製作、スポンサーとして参加致しました。